【コラム】「非嫡出子」と「嫡出子」の相続分は同じですNO.1

2015-05-19

平成25年12月5日に民法900条4号ただし書が改正されました(同月11日公布・施行)。

これは、平成25年9月4日の最高裁判決を受けて行われた改正です。

 

民法900条4号は、相続分を定めてます。

法改正前は「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1」とされていました。法改正により、この部分は削除されました。

 

嫡出でない子(婚姻外の男女間に生まれた子)を非嫡出子、嫡出である子(夫婦間に生まれた子)を嫡出子と言います。

 

法改正により、平成25年9月5日以後に相続が開始(被相続人が死亡)した場合は、嫡出子も非嫡出子も同じ相続分になります。平成25年9月5日より前に相続が開始(被相続人が死亡)した場合は、非嫡出子は嫡出子の半分の相続分のままです。

 

ただし、法改正前の民法900条4号ただし書について、前述した最高裁判決が「遅くとも平成13年7月当時において、憲法14条1項に違反していたというべきである」としていることからすれば、平成13年7月1日以後に相続が開始(被相続人が死亡)した場合であっても、確定的な法律関係が形成されていない限り(例えば遺産分割が既に終了している場合など)、嫡出でない子と嫡出である子の相続分は同じとして扱われる可能性があるといえます。

 

 具体的なストーリーで考えてみましょう。

 

【ストーリー1】

あるところに、太郎さんという男性がいました。太郎さんは花子さんと法律上の結婚(婚姻届を出す結婚)をして、二人の間に子どもが生まれました。その後、太郎さんと花子さんは離婚しました。

さらにその後、太郎さんは月子さんと、いわゆる事実婚(一緒に生活したり、周囲にも夫婦として認められていたりして、事実上は夫婦であるけれど婚姻届は出さない結婚)をしました。太郎さんと月子さんの間にも、子どもが生まれました。

その後、太郎さんは亡くなりました。

 

【ストーリー2】

あるところに、太郎さんという男性がいました。太郎さんは花子さんと法律上の結婚(婚姻届を出す結婚)をして、二人の間に子どもが生まれました。

太郎さんが花子さんと結婚しているときに、太郎さんと月子さんとの間にも、子どもが生まれました。

その後、太郎さんは亡くなりました。

 

【どうなるの?】

ストーリー1・2とも、太郎さんが花子さん・月子さんとの間にそれぞれ子を授かったところ、花子さんとは法律上の婚姻関係があり、月子さんとは法律上の婚姻関係がありません。このような場合の花子さんとの子(嫡出子)と、月子さんとの子(非嫡出子)の相続分を同等としたのが、今回の改正です。

月子さんとの子が生まれたときに、太郎さんが法律上の婚姻をしていたかは関係ありません。また、月子さんとの子が生まれた後に花子さんとの子が生まれても、同じ結論になります。

 

この結論について、どのような感想をお持ちになりましたか?

次回は、この判決・法改正が行われた背景と、平成13年7月1日から平成25年9月4日までに相続が発生した場合についてお話したいと思います。

 

ページの上部へ戻る

Copyright(c) 2014 早稲田リーガルコモンズ法律事務所(遺言相続) All Rights Reserved.