【コラム】内縁と相続

2015-08-18

1内縁関係と相続

「私には、長年同棲している内縁の妻がいます。私が彼女とこれまで結婚しなかったのは、彼女が、姓が変わるのは嫌だと言うからです。私も彼女の意思を尊重していましたが、私もそろそろいい年になってきましたので、将来できる限り多くの財産を彼女に残してやりたいと思っています。私の父母は既に他界していますが、長年連絡をとっていない兄弟がいます。内縁の妻に財産を残してやるには結婚しなければいけないのでしょうか。」

近年、法律婚以外の家族形態をとるカップルが増えてきていますので、遺言・相続の相談として、このような内縁関係の遺産承継に関するご相談をいただくことが増えてきています。

 

2内縁関係の遺産承継のポイント

(1)内縁関係にある者は相続人ではない

 まず、現在の民法では法律婚をしていない者は、配偶者として相続人になることができません。今回のご相談の場合ですと、ご相談者様がお亡くなりになった際には、ご相談者様のご兄弟が遺産の相続人となってしまい、ご相談者様の内縁の奥様は遺産を受け取ることができません。

(2)遺言の作成と留意点

 しかし、ご相談者様の内縁の奥様に遺贈する旨の遺言を作成すれば、遺産を残すことができます。。

この際注意しなければならないのは、遺留分です。遺留分とは、相続人に保証されている最低限の相続分で、これを侵害する場合には相続人によって一定の範囲で遺贈の効果を否定するおそれがあります。

もっとも、この遺留分を持つのは兄弟姉妹以外の相続人、すなわち配偶者、子、直系尊属(親など)です。したがって、今回のご相談者様の場合はご兄弟しかいらっしゃらないということですので、今回のケースでは問題となることはありません。

(3)内縁の方が相続財産を取得できる例外的な場合

 被相続人の内縁の方については、被相続人について全く相続人がいない場合に限り、特別縁故者として家庭裁判所の裁量によって被相続人の遺産を与えられる可能性があります。

 また、被相続人と内縁の方が被相続人名義で家主と契約していた借家にお住まいの場合、内縁の方は被相続人から賃借人としての地位を承継することができます(借地借家法36条1項)。

 

3最後に

 以上ご説明してきましたとおり、事前の手当てをしておかなければ原則として内縁関係にある方に遺産を承継することはできません。内縁関係にある方への遺産の承継にお悩みがある場合には、是非弁護士にご相談下さい。

弁護士は、遺言・相続の専門家ですので、ご要望を可能な限り実現する遺言を作成いたします。

以上

 

 

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