【コラム】寄与分の請求方法

2015-04-13

前回、寄与分についてお話させていただきました。

今回は、その続きとして、寄与分をどうやって請求していくかを説明します。

 

(1)請求方法

ア 請求できる人

寄与分を請求できるのは、相続人です。相続人に当たらない方は寄与分を請求できません。

イ 請求額の算定方法

(ア)寄与分自体の算定方法

寄与分がいくらか、そこで、民法の規定では、まずは相続人間での遺産分割の協議で、話し合いで額を決めるということになっています。ただし、これまでの事例の集積から、実務上は、ある程度の額は計算式をもって算定できるようになっています。

(イ)寄与分と相続財産の関係

話し合いの結果、寄与分の額が決まったら、相続財産の分配がなされます。「特別の寄与」によって、相続財産が増加したのですから、その分は、相続財産から除きます。そして、「特別の寄与」をした者に対して、その相続分に寄与分を加算するという取り扱いになっています。

 

 

(2)話し合いがまとまらない場合

話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の調停もしくは審判をすることになります。

ア 調停

調停をする場合は、2通りの方法があります。

寄与分を定める調停だけを申し込む方法(下図①)、遺産分割調停の中で、寄与分を定める調停を申し込む方法(下図②)です。

調停は、調停委員を間に介し、当事者間の合意形成を目指す手続で、合意を強制するものではありません。したがって、調停がまとまらないことも当然考えられます。

イ 審判

このような場合は、次のステップである、審判に移行します(下図④)。審判とは、裁判官が,当事者から提出された書類や家庭裁判所調査官が行った調査の結果等種々の資料に基づいて判断し決定する手続であり、裁判と比べると簡易な手続ですが、判断者として裁判官が存在することが調停との最大の違いになります。

遺産分割調停が不調に終わった場合は、自動的に審判に移行します(下図③)。

一方で、寄与分を定める調停だけを申込んでいた場合は、その後、遺産分割の審判(下図③)を申立てておかなければ、民法904条の2第4項の規定により審判の申立は不適法として却下されてしまいます。

このあたりの手続は複数あり、また、遺産分割手続については、調停からでも、審判からでもできるなど、複雑であり、各手続き選択に手間や費用の面でメリット・デメリットが存在します。多くの方は人生で何度も経験する手続きではありませんので、最適な方法を選択することはなかなかに困難なことだと思います。

弁護士としては、法的知識や実務上の経験から、依頼者の方々の希望をうかがったうえで、最適な手続きをともに考え、迅速かつ満足の行く解決を図っていくことになります。

ウ さらなる不服申立て

仮に、審判決定の内容も納得出来ない内容の場合は、審判決定の内容について即時抗告をすることができます。この場合、高等裁判所であらためて審判をすることになります。高等裁判所の審判決定については、原則的には、これに対する不服申立てをすることはできません。

相続図クリックして拡大してください。

 

 

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