【コラム】空き家になった実家をどうするか

2015-08-12

平成27年2月26日に、空家等対策の推進に関する特別措置法(空家対策特別措置法)が施行され、同年5月26日は関連の規定も施行されました。この法律は、適切な管理をしていない空き家について、倒壊の恐れや衛生、景観等に地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしており、地域住民の生命・身体・財産の保護、生活環境の保全、空き家等の活用のため対応が必要とされて制定されました。

この法律の施行により、「特定空家」として指定された空き家については、行政による空き家の管理などについて指導、勧告がなされる可能性があり、場合によっては、行政が空き家を取り壊してその費用を請求する(代執行)ことも法律上は認められています。

 

子どもたちは東京などの大都市圏で暮らしていて、地方にある実家には親が暮らしていたところ、親が亡くなってしまい、実家が空き家になってしまったという場合、地方の実家を管理するのもなかなか大変なことも多いでしょう。

相続が発生した場合、実家にはもう誰も住まないとしても、建物を売却しようとすれば煩雑な手続きが必要となり手間がかかります。相続財産にそれほど大きな価値があるものでない場合には、遺産分割をしまいまま、なんとなく時間だけが過ぎていき、気が付けば実家が適切な管理をされないまま老朽化しているということもあるでしょう。

しかし、このようになってしまった空き家に対して、上記の空家対策特別措置法の要件を満たした場合には、行政が指導・勧告等するおそれがあります。それ以外にも、その空き家や塀などが倒壊し、通行人等が怪我をした場合には、相続人が建物の所有者として損害賠償責任を問われる可能性もあります。

 

相続問題というと、価値のある財産の取り合いで揉めるというイメージがあるかもしれません。しかし、相続財産に、あまり価値がなく特に欲しがる相続人がいない場合にも、誰が引取るかという問題が発生しうるのです。建物の老朽化による危険や周辺環境の悪化を防ぐためにも、相続が発生した場合には速やかに遺産分割手続を行い、適切な対処をすることが大切になります。

また、親としても、自分の亡き後、子どもたちが揉めないように遺言を作成し、仮に住む者がいなくなり危険な空き家になることが想定されるような場合には、建物の売却などの煩雑な手続きを子どもたちなどの相続人がしなくても済むよう弁護士などの専門職を遺言執行者として指定することも有用です。

 

 

 

 

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