【コラム】自分が亡くなった後のペットが心配

2015-09-28

近年の日本においては、ペットを家族の一員として捉える人も増えてきました。しかし、自分が亡くなった後、可愛がっていたペットはどうなるのでしょうか。飼い主がいなくなった場合、保健所に連れて行かれて殺処分されてしまうかもしれません。それを避けるためには、ペットをどうしてほしいかについて、遺言を作成することが有用です。

遺言というと、典型的には、法定相続分とは異なる相続方法を定めるケースが想定されます。数人いる子のうち、疎遠だった者には少なく、一緒に住んでいた者には多く財産を分けたい場合。自宅マンションを一緒に暮らしてきた内縁の妻に渡したい場合。たとえば、このような希望を叶えるために、遺言は有効です。

しかし、遺言の内容はこれらに限りません。自分が亡くなった後、自分の所有した財産をどうするかについても指定ができます。

法律上、ペットは飼い主の財産となります。そこで、ペットを飼っていた場合には、自分が亡くなった後ペットをどうするのかについて、遺言で指定することが可能です。たとえば、「ペットの里親を探すボランティア団体等に引き渡す」と、ペットの行く末を遺言に定めることもできるのです。ただ、注意をしなければいけないのは、遺言で財産を受ける人は、特定の財産の遺贈を拒否することができるという点です。せっかく遺言を残しても、遺贈を受ける人がペットの受入れを拒否しては意味がありません。予め、ペットを迎え入れてくれる人の了解を得ておく必要があります。

ペットを受け入れてもらうために、負担付遺贈をすることも有益です。負担付遺贈というのは、財産をおくる代わりに何らかの負担をしてもらうという方法です。ペットを受け入れてもらう代わりに何らかの財産を残すことにすれば、受入れ側も約束違反に問われないよう、しっかりと面倒を見てくれるはずです。

遺言を作成する際には、併せて、遺言執行者を指定することができます。遺言執行者とは、遺言を作成した人が亡くなった後、その遺言の内容を執行する役割の人です。上記のように、ペットをボランティア団体等に引き渡す旨が遺言に定められていた場合、遺言執行者はその内容を実現するよう務めてくれます。

遺言執行者は、遺言で指定しなくとも、相続開始後に家庭裁判所で選任してもらうことも可能です。しかし、生前の事情を知っている人を遺言執行者に指定しておくことで、よりスムーズに故人の意思を実現することが可能になります。

一般に、遺言の執行は、諸々の書類を揃えたり、財産を受け取る側と交渉したり等、煩雑な手続きと手間がかかります。遺言執行者は未成年及び破産者以外であれば就任することができますが(民法1009条)、その負担の大きさを考えれば、弁護士などの専門家を予め遺言執行者と指定しておくことで適切な遺言の執行が期待できます。

 

 

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